衆院選結果を受けて
選挙結果については、「政治とカネ」の問題で与党である自由民主党、公明党に厳しい審判が下されたのではないか。
民意は示されたので、各党は党利党略に走らず、政策の実現に向け努力してほしい。
日本経済は、デフレからの完全脱却に向け、まさに正念場を迎えているところである。政治の停滞によって、この流れに水を差すことのないようお願いしたい。
また、多くの政党の公約において、最低賃金1,500円の実現を掲げていた。物価高騰に苦しむ消費者でもある労働者の方々に賃上げで報いるべく価格転嫁などに努めているところであるが、地方の中小零細企業においては、非常に苦労している。最低賃金の引上げには、丁寧な議論をお願いしたい。
一般社団法人 岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 柳 原 幸 一
新総裁に期待すること
これまで岸田内閣が取り組んできた「成長と分配の好循環」、「賃金と物価の好循環」が、ようやく実を結びつつあり、デフレ脱却まであと一歩のところまできている。このデフレ脱却の流れをさらに進めるとともに、更なる日本経済成長のため全力で取り組んで頂きたい。
また、政治資金問題については、リーダーシップを発揮して、国民の納得する形で早期に決着させるとともに、地方創生大臣の経験を活かし、人口減少、若者の都会への流出など様々な課題を抱えている地方の声にしっかりと耳を傾けてほしい。
一般社団法人 岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 柳 原 幸 一
古田知事の不出馬について
古田知事の不出馬の一報を聞き、非常に驚いている。5期にわたり、岐阜県の経済発展に多大なる貢献をされるとともに、特にコロナ対策においては、陣頭に立って、ひたむきに取組まれた姿勢に強いリーダーシップを感じました。
岐阜県経済同友会の岐阜県サミットや幹事会においては、適切な提言へのアドバイスをいただき、大いに参考とさせていただいた。引き続きご助言を頂戴できるものと期待していたところであり、大変残念に思う次第である。
古田県政を引継ぐ方には、県民に夢を与える政策を推し進めていただくことを期待する。
一般社団法人 岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 柳 原 幸 一
急激な株安、円高について
日銀の政策金利0.25%程度の引き上げ、米国の雇用統計悪化などによる景気下振れ懸念が高まったことから、マーケットがある程度株安、円高に振れることは予想されたが、先週末からの急激な変動は、多分に投機的な要因も考えられる。
県内企業の多くも、これまで160円を超える円安で、エネルギー価格や原材料費の価格上昇に苦しめられてきた。今回の急激な円高、株安によって、個人消費や設備投資など実体経済に影響を与えないか、今後の状況をとても心配している。
一般社団法人 岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 柳 原 幸 一
マイナス金利政策の解除について
デフレ脱却に向けて大きな一歩。誰が見ても異例だった金融政策がようやく正常化する。急激なスピードで進んだ円安に苦しめられた企業にとっても朗報だ。人々や企業のマインドをデフレ前に戻す推進力になるだろう。
ただ、デフレ脱却が賃上げ主導で進められたので、余力がないなかで賃上げをした中小企業も少なくない。今後は金利の上昇にも耐えられるだけの態勢を整える必要があり、中小企業にとって厳しい状況が依然として続く。
解除に至るプロセスで、価格転嫁の必要性が大きくクローズアップされたのは中小企業の活性化の面で大きな意味を持つ。これを弾みに一刻も早く、適切な価格転嫁が認められる経済社会を官民挙げて作っていく必要がある。
そのうえで、賃上げありきではなく、企業が魅力的な製品づくりやサービスによって利益を出し、それが賃金上昇の原資となって経済が成長していく本来の姿がよみがえるよう、適切な金融政策が実施されることを期待している。
一般社団法人 岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 中 川 正 之
最低賃金引き上げについて
実質賃金は7月時点で16カ月連続のマイナスとなっており、物価高に賃金が追いついていない。家計の窮状を考えると、引き上げ幅は妥当な水準だと認識している。
県内企業の多くも、円安によるエネルギー価格や原材料費の高騰で厳しい状態が続いている。
それに加え、本県は全国有数の人手不足県のうえ、隣県の愛知県とは賃金差が77円もあるので、人手を確保するには最低賃金を大きく超える水準で雇用しなければならない。県内企業は、賃金上昇分の利益を捻出するため一層の経営努力が必要になる。
先月末、総理が「2030年代半ばまでに1500円を目指す」と表明したが、賃金や物価の上昇は本来、企業や働き手の生産性向上の結果によるものだ。2%の物価目標を掲げた異次元の金融緩和策が期待通りに進まなかったのと同じように、無理な引き上げは雇用を減らし企業業績を悪化させるなど経済に大きな副作用を生み出しかねない。
10年先の最低賃金の目標額を設定することより、働き手の最低限の生活を守る最低賃金制度をしっかりと機能させ、中小企業が腰を据えて生産活動に取り組めるよう公正な下請け取引の実現や成長戦略の実行に力を注ぐことが求められているのではないか。
一般社団法人 岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 中 川 正 之
内閣改造の評価と今後の期待について
党総裁選を見据え派閥に配慮した人事で、色濃く残る派閥政治の存在を強く感じた。また、政権の骨格はほぼ変わっていないので、改造内閣の新たな使命や発展性を感じ取ることはできなかった。
改造内閣に最も期待するのは、物価高の原因となっている円安の是正だ。米国との金利差など自国だけでは解決できない課題があるのは分かるが、多くの企業や国民が苦しんでおり、あらゆる手段を尽くすべきだ。そのひたむきな姿勢が政治への信頼を生み、政権の支持率を上昇させる。
加えて、正当な価格転嫁が認められる下請け取引の実現を引き続き強力に進めるほか、地方の企業の人手の確保を支援する思い切った政策を打ち出してほしい。
一般社団法人 岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 中 川 正 之
円相場が1ドル150円を突破したことを受けて
これほどまでに急ピッチで円安が進めば、低所得世帯では生活を維持するのが困難になるケースが増えてくるだろう。輸入企業も大打撃を受け、DXや脱炭素を進めるどころか防衛策を繰り出すのが精一杯だ。
政府は緊急措置として今月に経済対策を打ち、春闘後の賃金上昇で物価高を吸収し経済を落ち着かせるシナリオを描いているが、為替変動のリズムについていけず、常に政策が後手に回っている印象がぬぐえない。
米国の急速な利上げが、日本や英国、多くの新興国の経済に大きな混乱を引き起こしているのは明らか。それを受けてわが国でも為替介入が実施されているが、その効果が極めて限定的であることは周知の事実だ。
そうだとすれば、わが国が中心になり米国の利上げのペースを遅らせるなど、為替の安定に向けて国際間の協調を働きかけていく以外にドルの独歩高を止める方法はないだろう。政府、与党のリーダーシップに強く期待する。
一般社団法人 岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 中 川 正 之
最低賃金の引き上げについて
物価高騰に配慮して過去最高の引き上げ幅となったが、先進国の中では依然として低い水準にあり、経営者の一人として忸怩たる思いだ。
政府はなぜわが国の企業が低水準の賃金しか支払えなくなっているかを考えてほしい。
最大の原因は、下請け企業の多くは価格転嫁ができずに本来の利益を確保できないでいることだ。企業は利益が出なければ賃上げできない。政府に課せられた役割は、取引の適正化に向けていっそう強力に取り組み、下請け企業が正当な利益を得られる経済社会を作ることだと思う。
配偶者控除や社会保険料免除などの制度の見直しが進んでいないことも原因の一つだ。せっかく賃金を上げても有能な働き手が就業時間を減らしてしまうのであれば、企業は賃上げを躊躇せざるを得ない。
賃上げは日本経済の大きな課題。今のままでは、過去最大の最低賃金の引き上げも一時的な物価高騰対策に留まってしまう。持続的な賃上げの流れを作るには、賃金を上げにくくしている原因を早く取り除く必要がある。
一般社団法人 岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 中 川 正 之
参院選の結果を受けて
民主主義を支える選挙の場に暴力が持ち込まれたことは極めて残念。これによってわが国の選挙活動が委縮すれば民主国家にとって大きな損失だ。与党が勝利したのは、国民の支持を集めたというより、野党が物価高などの重要な争点について国民の共感を呼ぶ政策を提案できなかった結果だと受け止めている。
最優先で取り組んでほしいのは急激な円安への対応。原材料を輸入に頼っている企業は大打撃を受けている。企業が直面する厳しい現実にもっと目を向けて、与党、政府、日銀は三位一体となって強力な円安対策を打ち出してほしい。
首相が掲げる新しい資本主義の姿を分かりやすく示すことも必要だ。具体的にどの格差をどう是正するのかが伝わってこない。大企業と中小企業、大都市と地方の格差の是正に積極的に取り組み、地方の活性化に力を入れてほしい。
来年5月には広島でG7サミットが開かれる。集まった首脳に胸を張って、新しい資本主義の実現への取り組みを報告するとともに、世界平和や国際秩序についての考え方を明確に示し、国際社会の中でのわが国の存在感を高めてほしい。
一般社団法人 岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 中 川 正 之
円安(130円を突破)について
日米の金利差の拡大はしばらく続きそうで円安はさらに進み、130円は通過点に過ぎず150円をうかがうように思う。
円安が進めば一部の規模の大きい輸出企業は追い風を受けるが、価格転嫁がしにくい中小規模の製造業やサービス業は、原材料費が上がった分だけ収益が悪化する。本県は中小企業が多いので、県経済に影響が出ないか懸念している。
日米の金利差を縮めようとして我が国が利上げすれば、国債の利息も上がり益々国力が低下してしまう。だがこのままだと貿易赤字は膨み続ける。政府、日銀が一体となって海外との調整を模索するなど、早急に何らかの手を打つ必要があるのではないか。
(一社)岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 鈴木 良春
衆院選の結果について
国民が求めたのは実行力と安定した政治の実現だろう。与党は公約を守り、コロナ対策と経済の立て直しに全力を挙げてほしい。
選挙戦では与野党ともに分配政策を競ったが、分配を稼ぎ出す成長についての論戦は少なかった。与党は選挙後に取りまとめる経済対策の中で成長への道筋を明確に示してほしい。また分厚い中間層を復活させるならば、中小企業の社員の人材育成をバックアップする視点を持ってほしい。地方経済の活性化にもつながるはずだ。
変異種などに対応する国産ワクチンや治療薬の生産体制を高めることは、企業が安心して活動できる環境を作り出すとともに経済安全保障の強化につながるので、早期の実現を期待している。
国民の政治に対する信頼は揺らいでいる。政策のみならず与党の政治姿勢も試されていると思う。
(一社)岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 鈴木 良春
新総裁に期待する
大事なのはコロナ対策をどう進めていくか、また経済をどう成長させていくかなど、課題を国民としっかり共有する政治を行うことだ。
そのためには病床の確保など感染症対策や、特に地方のデジタル化、脱炭素化を進めるためのロードマップを早く国民に示し、共感を得る必要がある。そうすることで経済活動にも弾みがつく。
貿易や安全保障だけでなく気候変動問題も各国との利害の調整が不可欠。外務大臣の経験を生かして、わが国の立ち位置を毅然と示す力強いリーダーになってほしい。
わが国の消費は依然として弱く、財政再建も手探りの状況だ。「岸田BOX」に寄せられた声をもとに、国民のデフレ心理を払しょくし、若者たちが希望を持てる未来をどう描いて見せるか、新しいリーダーの構想力に期待する。
(一社)岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 鈴木 良春
菅首相の総裁選不出馬について
デジタル庁の設置や携帯電話料金の見直しなど一定の功績があっただけに残念だ。
不出馬を決めたのは、感染状況が最悪の水準になってしまったことや横浜市長選の敗北で、党内での求心力の低下を感じていたからだろう。総裁選でコロナ禍を乗り切る道筋やアフターコロナの経済ビジョンなどを語ってほしかった。
総裁選まで一か月近くある。コロナ対応の追加経済対策の取りまとめなど課題は山積している。最大与党である自民党が混乱すれば政治空白が生まれ、経済にも影響を与えかねない。首相には残された期間、経済活動とコロナ収束の両立に全力を挙げてほしい。
(一社)岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 鈴木 良春
岐阜県の最低賃金引き上げについて
今回の引き上げは総選挙を控えての迎合策のように見える。引き上げによって所得を増やし経済を活性化させる考え方は、どんな経済状況下でも有効だとは思わない。本来はコロナが収束する兆しが見えてからにすべきだ。
県内には自動車関連の中小企業が多い。これらの企業は今後、脱炭素化のコストを背負うだけに、人件費の増加は徐々に経営を圧迫し、やがて雇用を抑えるようになる可能性もある。
せめて、コロナ禍で厳しさが増す飲食、宿泊業などの産業については、据え置きを認めるといった柔軟なシステムがあってもよいのではないか。
(一社)岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 鈴木 良春
古田知事5選について
再選を心よりお祝い申し上げます。これまでの実績とコロナ下での卓越した危機管理能力、対策を推進するひたむきな姿が、県民に支持された結果だと受け止めています。
わが国の経済社会にとって最大の課題は、感染拡大を収束させ経済を再生することです。古田県政に特に期待するのは、医療体制の一層の充実と新たな産業ビジョンの策定です。
活発な企業活動を展開するには、働き手に安心感を与える医療体制の整備が不可欠です。また県経済の再生には、感染症、グリーン化への対応を踏まえた新たな産業ビジョンが必要で、知事が先頭になってこれらに力を注いでいただくことを願っております。
本会は引き続き古田県政を応援し、支えていく所存です。
(一社)岐阜県経済同友会
筆頭代表幹事 鈴木 良春
新米国大統領の誕生について
米国は日本のかけがえのない同盟国。しかし、米国内のコロナによる死者はベトナム戦争時の4倍に迫っており、経済回復を期待できる状況にはないと感じている。
米国は現在、貧富の格差、人種差別など大きな課題を抱え国民の分断を招いているが、新大統領にはまずはコロナ対策に全力を傾け、わが国はじめ各国との貿易が円滑に進められるよう環境を整えてほしい。
今後、就任演説などで新大統領の打ち出す政策が明らかになってくるが、特に地球環境保護の点から環境規制を強化するなど通商政策に大きな変化があるか、またパリ協定、TPPなど国際的な枠組みに復帰するか、の点に注目している。
筆頭代表幹事 鈴木 良春
新総裁に期待する
最優先課題は新型コロナの感染拡大を抑制しながらどう経済を立て直していくかにある。そのために、海外とのビジネスが円滑に進むよう環境整備に力を入れてほしい。また、感染リスクが低い地方の経済を引き上げていく政策が切れ目なく打ち出されることを強く期待している。
創設が検討される「デジタル庁」は、縦割り行政を改めるだけでなく、地方のデジタル化を進めて分散型の社会を作っていく象徴として、東京ではなく地方に設置してほしい。
いま、コロナ禍で経済が傷み、財政健全化が遠のくなど閉塞感が漂う。そのなかで新しいリーダーには、国民がわが国の将来に希望を見いだせる成長戦略を具体的にどう描いてみせるかが問われているように思う。
筆頭代表幹事 鈴木 良春
安倍総理退任表明について
突然のことで驚いている。総理はアメリカ外交では余人をもって代えがたい存在で、米国をマーケットとする企業から見ると安定感があった。米中の争いが鮮明になる中で日本の立ち位置をどう取っていくかが今後の大きな課題になると思う。
今年に入ってコロナ対策に翻弄され、経済活動と感染抑止の両立で明確な方針を打ち出せなかった印象はぬぐえないが、アベノミクスにより経済が息を吹き返したことは確かで、一定の評価がなされるべきだろう。
「ポスト安倍」が焦点になるが、コロナ対策、東京五輪の開催、アメリカ大統領選への対応などどれをとっても困難な課題であり、後継者には強力なリーダーシップが求められる。
筆頭代表幹事 鈴木 良春
緊急経済対策(コロナ対応)について
現状を踏まえて最大限の対策を打ち出したと受け止めている。特に、現金給付や納税猶予などで資金繰りに困る中小企業の手元に少しでも資金が残る状況を作り出した点は評価できる。
ただ、対策には収束後の需要喚起策が明記されているものの、収束までの時間が長引けば、体力のない中小企業が多い地方の経済はさらに厳しい状況に置かれる。
地方はいま観光客の減少などで大きな打撃を受けている。また緊急事態宣言が出されたことで、大都市圏の消費が減速し、地方の生産活動がさらに勢いを失くす可能性さえある。政府は地方経済の推移をしっかりと把握し、必要な時には第2、第3の経済対策を躊躇なく打ち出してほしい。対策に呼応した形での県独自のきめ細かい支援策にも期待している。
筆頭代表幹事 中 村 源次郎
計画的在宅勤務の促進要請について
コロナ禍によって平時のありがたさを痛感している。企業にとっても平穏な環境が何より重要で、終息に向けてできる限り協力していく必要がある。
ただ規模や業種はそれぞれ違うので、在宅勤務のスタイルを一律に捉えることはむずかしい。各企業が、社員ごとに勤務の目的、重要性、態様などを見極めたうえで、対応策を練っていけばよいのではないか。
筆頭代表幹事 中 村 源次郎
第4次安倍第2次改造内閣について
先の参院選で鮮明になったのは国民の将来不安。社会保障や経済外交に実績のある人材を起用したのは評価したい。
ただ、歳出削減に取り組みながら経済のパイを大きくするには、多くの省庁の力が必要だ。この内閣で各省庁が一丸となり、将来不安を払しょくするための「令和改革ビジョン」を取りまとめてほしい。それが国民の声に応えることになる。
将来不安の払しょくには地方経済の活性化が欠かせない。本県はじめ多くの地方では郊外に製造拠点が数多くあり、生産性を上げるには工場のスマート化が不可欠。地方でのデジタル経済化を強力に進めてほしい。
筆頭代表幹事 中 村 源次郎
新元号について
国書・万葉集から引用するなど、わが国のアイデンティティーを前面に打ち出したすばらしい元号だと思う。
ただ、新元号に魂を吹き込むのは、国民一人ひとりだ。わが国の文化を高め、経済を豊かにするには、グローバルな視点や柔軟なアイデアがいっそう必要となる。企業経営者においては、デジタル化や多様性が重視される社会へどう対応できるかが重要なポイントとなるだろう。
平成が厳しい時代だっただけに、新しい時代の担い手である若者一人ひとりが、新元号の下で活躍することを期待している。
筆頭代表幹事 中 村 源次郎
安倍総理の衆議院解散表明について
8月に内閣を改造したばかりで、国民の眼には唐突に映ったのではないか。
経済はいま、6四半期連続のプラス成長の中にあり、デフレ脱却にとって大切な時期。 解散に打って出て政治空白ができれば、不要な為替や株価の変動を招くおそれがある。
選挙の争点として急浮上した幼児教育の無償化は、財政再建との関係でこれから議論を深化させる予定だったはず。安易に無償化を選挙公約に掲げれば、財政再建は遠のき企業や消費者のマインドを委縮させることになる。
本格的なデフレ脱却を見据えて与野党が論戦を戦わせる衆院選になることを期待する。
筆頭代表幹事 中 村 正
米国パリ協定離脱について
未来の地球の姿を考えると残念。温暖化対策が一歩退いたとの思いだ。アメリカ・ファーストのスタンスから離脱を決めたのだろうが、既存の国際秩序に背を向ければ求心力を失い、かえって米国の利益を損なうことになる。発表時期を考えると、ロシアとの疑惑で劣勢に回っているなかで公約を強行し、保守層などの支持を得たい狙いがあったのかもしれない。米国には世界をけん引するリーダーであり続けてほしい。
筆頭代表幹事 中 村 正
古田知事(4期目)再選について
県産品を海外でトップセールスする姿を見て心強く感じていた。その精力的な活動や手堅い自治体運営が県民に評価された結果と受け止めている。4期目は自らの信念を余すことなく県政に反映させ、県民を豊かにしてほしい。
本県は人手不足が深刻で企業経営の大きな課題となっている。生産現場のスマート化を推進できる人材の育成、確保に力を貸してほしい。
加えて、東海環状自動車西回りの整備が進み、岐阜大学内に「食品科学研究所」が設置されるのを生かして、企業誘致をさらに強化してほしい。競争力の高い成長企業を誘致すれば全国平均より劣っている本県の労働生産性を高められるきっかけになる。
本会としても様々な形で連携し、古田県政を支えていきたい。
筆頭代表幹事 中 村 正
トランプ米新大統領の就任に当たって
就任演説は支持基盤である白人労働者層へのメッセージが中心で、米国民の分断を修復に向かわせる配慮に欠けていたのではないか。
就任直後にTPPの離脱とともに北米自由協定(NAFTA)の再交渉を正式に表明したが、NAFTAの見直しはわが国の自動車産業のサプライチェーンを変更させる恐れがある。“メイク アメリカ グレート アゲイン”を目指す保護主義政策がさらに打ち出されれば、輸出関連企業が多い県経済はマイナスの影響を受けやすくなるだろう。
米国は戦後、強大な軍事力を背に国際秩序の枠組みをつくり、世界の安定に寄与してきた。不安定な国際政治は世界全体の経済を委縮させる。安全保障の問題を貿易交渉のツールとして使うなど国際政治の混乱を招く振る舞いは避けるべきだ。
ビジネスマン出身ならば保護貿易のデメリットは十分理解しているはず。“アメリカ ファースト”として当面は国内の製造業を再生させ雇用を取り戻すことに全力を挙げるとして、どこでどう政策転換を図っていくのか、その点についても注目したい。
筆頭代表幹事 中 村 正
今後の政権運営について
財政危機の捉え方は温度差があるものの、厳しい状況にあると考えている。安倍政権はこれ以上ない安定した政治基盤があるのだから、働き方や産業構造の改革だけでなく財政再建に早く道筋をつけてほしい。
経済対策は、財政再建を踏まえ財政投融資の活用を打ち出している点で一歩前進だが、低所得者への給付金は政治的なパフォーマンスと受け止めている。
改造内閣の布陣は新鮮さを感じないが、経済対策と連動して働き方改革担当相を新設したのは評価できる。アベノミクスをどう完結させるか、盤石な政治基盤があるだけに総理の真価が問われる内閣だと思う。
ただ、東京五輪やリニア建設を控え、地方企業の人手の確保は一層厳しくなるが、経済対策や内閣改造からはこの課題を解決しようとする意志が伝わってこない。人手不足は地方創生の歩みを止めかねない。地方経済が抱える人手不足についても目を向けるべきではなかったか。
筆頭代表幹事 中 村 正
第24回参議院選挙の結果を受けて
アベノミクスの効果を中小企業の多い地方にまで浸透させてほしいという国民の期待の表れと受け止めている。
ただ、選挙中に、与野党が財政再建の道筋や国民の将来不安を払しょくするためのビジョンを示さなかったのは残念。
秋には大型の経済対策が打ち出されるが、それとともに社会保障改革など国民の痛みを伴う改革についても明確なビジョンを示してほしい。財政再建への道筋を示すことが結局、国民や企業の先行き不透明感を払しょくし、デフレからの脱却を後押しすることになる。
筆頭代表幹事 中 村 正
消費増税再延期について
消費税は予定通り来年の4月1日から10%に上げるべきである。そして、その時点で即座に全品目軽減税率を適用して8%に戻す。これで安倍政権も1年半前の選挙公約を守ったことになる。更に自民党と公明党の公約である世紀の愚策軽減税率適用も実施したことになる。
これなら国民も納得して三方良し。後は数年後に景気の状況を見て、軽減税率を廃止すれば良い。
筆頭代表幹事 四 橋 英 児
株価が2万円台をつけたことについて
株高は企業の業績にとって悪いことではない。
ただ、問題は現在の株高が円安と金融緩和によってもたらされたものであり、実体経済と乖離している点だ。
安倍政権は「株高政権」であり、支持率は株価と連動していますので、常に株高を維持しようとする政策をとることは間違いないが、現在は人々がミニバブルの中で疑心暗鬼で株高を享受しているのが実態だと思う。
今後は原油価格の動向や年金基金の代行返上等々、不確定な要素が多いため予断を許さないが、経済人は株価に一喜一憂することなく地道に本業に邁進することが肝要だ。株は上がったら下がり、下がったら上がるものだ。
筆頭代表幹事 四 橋 英 児
第47回衆院選の結果を受けて
選挙結果は予想通り。横着な自民党だが、余りにもお粗末だった民主党政権時代の記憶がまだ国民の頭に強烈に残っていたのだろう。つまり、自民党の方が、まだましだっただけのこと。投票率は戦後最低であり、与党は棄権した分を批判票だと受け止めて、今後は謙虚に政権運営をしてほしい。
第3次安倍内閣には、円安や株高誘導の金融政策ではなく、モノづくりを中心とした地に足の着いた経済政策を期待する。但し、政治家の大好きな一過性の補助金は不要。それを続けていたらいくら増税しても追い付かない。
肝要なのは人口減少時代に合わせて早く小さな政府にすることだ。特に議員定数削減と国家公務員給与の大幅削減。この重要性がまだ正しく理解されていない。「入るを量りて出ずるを為す」。国家経営、会社経営のこの原則をしっかりと守ってほしい。
筆頭代表幹事 四 橋 英 児
消費税増税延期・衆院解散について
経済は常に動いており、経済指標に一喜一憂する必要はない。財政再建のため、予定通り増税してもよかったのではないか。
今回の解散は、勝手な時だけ民意を問う「迷惑解散」。今は成長戦略や地方創生に全力を尽くすべきで、政治空白を作る時ではない。消費増税も大局に立って判断したのなら、法律の「景気条項」に則って粛々と延期すればよかったはずだ。アベノミクスの是非や延期を解散の大義にするのは、筋が通らないのではないか。
今後、政府は円安対応など新たな経済対策を打つが、財政の基本は「入るを量りて出ずるを為す」。莫大な債務を抱えているのだから「身を切る改革」など歳出削減を徹底するとともに、バラマキ型の補助金などは厳に慎むべきだ。
筆頭代表幹事 四 橋 英 児
消費税増税・経済対策の発表を受けて
地方経済の状況を見ていると、消費税を引き上げるタイミングとは思えない。しかし、見送れば財政再建は遠のき、長期金利の上昇を招きかねない。首相の判断通り、引き上げたうえでリスクをカバーする対策を取る以外に方法はなかったのではないか。
今月から食料品の値上げなどが相次ぎ、国民の暮らしは厳しさを増す。「弱者を見捨てない政治」の実現、「身を切る改革」や社会保障改革についても早く結論を出すべきだ。
経済対策は、賃金上昇を促すための減税措置が柱となっているが、中小企業は税制優遇があるとはいえ、将来にわたって業績が好転する兆しがない限り、賃上げに踏み切るのは勇気がいるのではないか。復興特別法人税の廃止は、被災地や国民の理解をどう得ていくのか、推移を見守っていきたい。
筆頭代表幹事 田 中 良 幸
参院選の結果を受けて
ねじれ解消は、短期間で首相が交代してしまうここ数年の政治のリズムを変えるきっかけになるだろう。
アベノミクスはこれからが正念場。首相には、党内のガバナンスを一段と高め、成長戦略を速やかに実行に移すとともに、公約に掲げた法人税減税や規制改革を確実に進めるなど経済の立て直しにすべてのエネルギーを集中させてほしい。
残念だったのは投票率が振るわなかったこと。ネット選挙解禁は根本的な解決にはなり得ない。時間はかかるが、子どもの時から政治に関心を持たせる教育が必要だ。
筆頭代表幹事 田 中 良 幸
◆ TPP参加表明について
日米首脳会談の成功が弾みをつけたのだろう。短兵急との批判を恐れずに参加表明したことをまずは評価したい。
アジア太平洋地域の活力を取り込むことはわが国の経済成長にとって欠かせないし、日米同盟の強化はわが国の安全保障の礎(いしずえ)でもあるからだ。
ただ、最大の課題は国民の理解を得ること。
TPPはわが国の産業や国民生活に深く関わるだけに、そのメリット、デメリットを丁寧に国民に説明していく必要がある。
夏の参院選までに、TPPのデメリットを緩和するためにどんな政策を打ち出し、どの程度国民の不安を払しょくできるか、注目していきたい。
筆頭代表幹事 田 中 良 幸
古田知事(3期目)に期待する
行財政改革など手堅い自治体運営が県民に評価された結果だと受け止めている。
3期目は古田イズムが花開くとき。自らの信念を余すことなく県政に反映させてほしい。
掲げたマニフェストのなかでも特に、県経済の成長戦略や観光産業の基幹産業化を優先して実行に移してほしい。デフレや少子高齢化のなかでどう地方を活性化させるかはわが国の大きな課題だが、成果を挙げれば全国に岐阜県モデルを発信できる。
本会としても様々な形で連携し、古田県政を支えていきたい。
筆頭代表幹事 田 中 良 幸