東京大学公共政策大学院　教授

公益財団法人国際文化会館　地経学研究所長

鈴木　一人　氏

第二次大戦後、政治と経済が分離し、「政冷経熱」と言われていた時代が続いたが、中国による経済的威圧など、政治的な目的のために経済を手段として使う、政治と経済の融合が起きている。そこで「経済安全保障」が重要な政策課題となっているが、軍事的な安全保障と異なるのは、企業が経済安全保障の最前線に立ち、経済的威圧の被害を受けることである。こうした時代において、国家は経済的な自律性を高め、他国との「地経学パワー」をめぐる争いが起きている。こうした地経学の時代においてどのような対応をしていくべきなのかを伺う。

1970年長野県上田市出身。2000年英国サセックス大学ヨ－ロッパ研究所現代ヨーロッパ研究専攻博士課程修了。北海道大学公共政策大学院教授、国連安保理イラン制裁専門家パネル委員などを経て、2020年から東京大学公共政策大学院教授、2022年から地経学研究所長。内閣府宇宙政策委員会委員、日本安全保障貿易学会会長なども兼任。専門は国際政治、国際政治経済学、科学技術と安全保障、安全保障貿易管理、国連制裁など。

［主な著書］

「宇宙開発と国際政治」（岩波書店、2011年。サントリー学芸賞受賞）など。